保育方針
こひつじ幼稚園で最も大切にしたいのは、一人ひとりの心の育ちです。困っているお友達を見て、一緒に考えてあげられる、お手伝いしてあげられる、そんなやさしい気持ちを育てていきたいと思っています。
クラス編成
- ・年長(5~6歳児)
- ・年中(4~5歳児)
- ・年少(2歳8ヶ月~4歳児)
●香港の幼稚園は教育局の定めによりK1(2歳8ヶ月~)、K2(3歳8ヶ月~)、K3(4歳8ヶ月~)という年齢区分がなされており、また年度の始まりが8~9月であるなど日本の幼稚園との違いがあります。当園では年度の始まりは日本に合わせて4月とし、年少クラスへの入園可能時期を香港の制度に寄せて2歳8ヶ月からとしております。日本での幼稚園よりも少し早く年少としての保育が始まりますことに関しましては十分に考慮し、それぞれの子どもの成長に合わせた保育を目指しています。
●当園では「縦割り」(異年齢のクラス同士の活動を合同で行う)での活動を重視しています。上記のクラス別での活動以外に、お弁当やお着替え、自由遊びなどの様々な場面で他クラスとの交流時間を持つようにしています。
香港での日本人家庭は多くの場合核家族で、親と子の間だけの関係しか知らないまま幼児期を過ごすことになる場合がありますので、このような異年齢同士の関わりが特に重要になってきます。年上の子は年下の子をお世話することで思いやりや自信を育み、年長者としての自覚を持って物事に取り組むことができるようになります。年下の子はそのような年上の子を憧れをもって日々見ることにより、真似をして学び、自立心を促されます。仲良く刺激し合って互いに伸びていくのです。年齢に応じた取り組みも大切なので、バランスを取りながらカリキュラムを組んでいます。
「あそび」の重要性
人間の土台をつくる幼児期に、仲間同士で思いっきり遊ぶことは何より大切な経験です。この時期子どもたちは「あそび」を通して楽しみながら様々な事に興味を持ち、多くのことを学んでいきます。当園ではカリキュラムの各活動に「あそび」の形をとって取り組むことにより、子どもの育ちに合わせて楽しく学ぶことを大事にしています。また、あそびの中で子どもたちは友達とぶつかり、思い通りにならないことに出会い、そのことを通して自分自身と他者に向き合うことを知り、自分の言葉で自分を表現すること、人を思いやることを覚え、人間関係を構築して成長していきます。この経験は大人になって生きていくために絶対になくてはならないものです。当園では、遊ぶ時間を十分に取ることにより、子ども自身が持っている育つ力をのばすことが重要だと考えています。
「しつけ」、ルール
自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。(ピリピ人への手紙 2章4節)
自由を楽しむことは大切ですが、そればかりでは無秩序となり社会生活は成り立ちません。子どもたちは自分が責任を持たなければならないことを学ぶ必要があります。たとえば何かをこぼしたら、誰かが拭いてくれることを期待するのではなく、すぐに自分で拭くこと。または、ブロックやおままごとのおもちゃを自由に使っていいということは、自分で片付ける責任もあるということ。集団生活の中で、ごみの片付け方、服の片付け方、トイレのきれいな使い方について子ども自身に気づかせ、どうしたらよいのか考えさせます。また、一つのお皿にお菓子を盛ってみんなの前に置くと、まだ取っていない人がいるのに自分だけ3つも4つも取ってしまう子がいることがあります。他のお友達のことを考えたらどうしたらいいか、気づいて行動できるように促します。自分のことだけしか考えない子どもをそのままにしておいては、他人を思いやることができるようにはなれないでしょう。毎日の小さなことの積み重ねで少しずつ学んでいきます。
日々の生活の中にはこのような「約束」が色々あります。それは自分自身が楽しく生活するためのルールでもあるのです。それらの約束や人間関係におけるルールは、家族や友達と関わる中で身に着けていくべきものです。聖書では親との関係において「尊敬」と「従順」という二つのことを教えています。親が、保育者が、子どもが幼く、心が柔らかいうちに、愛をもって「きまりを守る大切さ」を教えていき、子どもがその愛の深さに気づくとき、子どもは心から親を尊敬し、親のことばに従う従順さを身につけていくことでしょう。また、ルールや約束を大人が押し付けるよりも、あそびを通して子ども自身に様々な選択をさせ、子どもの一定の領域を子ども自身がコントロールする自由を与えることから自然に学んでいく方が良いと考えます。
そして、これら全ての最後には必ず「赦し」がなければいけません。子どもが何か間違ったことをしてそれを正されたとき、子どもはその正されたことを心に強く受け止めますが、それが公平で、自分のためであると分かったとき、恨みや悪い感情は残りません。子ども本人を愛していることと、間違った行いを注意し正すことは両立します。しつけにおいてこの愛と赦しは本当に大切なものです。
保育者の援助の基本方針
●子どもとの関わり方の基本
- 1.子どもを理解すること(保育者があらゆる側面から理解する)
- 子どもそれぞれのその場における心情を理解するようつとめます。子どもの持っている背景は様々です。どのようなことが起き、なぜそのように思い、行動するのかを把握することは大切です。そして、理解した上で子どもの気持ちに寄り添います。
- 2.環境をつくること
- 子どもたちと職員、ご家族の皆様は園にあってみんなでひとつの大きな「家族」です。園が「家族」のつながりの温かさを感じさせる場所であるよう整えます。
- 3.自らも踏み込むこと
- 子どものあそびを理解し、心情を理解し、信頼関係をつくるために、子どものあそびに足を踏み入れ、自らも加わるということを大切にしています。
- 4.一貫性をもつこと
- 子どもに対する発言や園での約束、きまりなどについては常に一貫性を維持します。子どもの混乱を避けるため、どこにいてもいつも同じ態度で対応します。
●チーム保育
保育のすべてのプロセスにおいて、複数の保育者が一緒に関わります。保育者は全員で指導計画を立て、準備を含めて環境の構成をし、一緒に指導し、反省・評価を行います。